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【要約】ずるい考え方 ゼロから始める ラテラルシンキング入門|ずるく生きよう!

こんにちは moyaiです。

ずるい。

この言葉にあなたはどんなイメージを持つでしょうか。

人だし抜く?

正しくないやりかた?

こすい?

こんな風に「ずるい」という言葉にはあまり良いイメージがついていないですよね。

あなたは「ずるい」人ですね。と言われてもあまりうれしくないですよね。

でも、「ずるい」には、非難されるような「ずるい」とそんな発想あったのか、っと周囲からくやしがられる「ずるい」というものもあるのではないでしょうか。

今回紹介する、木村尚義著|ずるい考え方~ゼロから始めるラテラルシンキング入門~(あさ出版)では、人に非難されるような「ずるい」ではなく、人をあっと言わせるような「してやられた!」と思わせるような「ずるい」を紹介し、あなたの常識をくつがえし、前提や固定観念にとらわれない、広く水平的な思考法を身に着けるための入門書になっています。

本書では、ロジカルシンキングの具体例や練習問題を通じて、本書を読み切るころには、あなたも広い視野で「ずるい」思考法ができるようになっているかも!?

あっと驚くような発想や考え方ができればこれまで見えなかった様々なことが見えてくるかもしれませんね!!

それでは、いってみましょう。

著者

著者の木村尚義さんは、株式会社創客営業研究所 代表取締役。アカデミーヒルズ六本木ライブラリー個人事業研究所会長。流通経済大学卒業、ソフトウェア開発会社を経てOAシステム販売会社に転職。たったひとりでパソコンショップの運営を任されるが、パソコンマニアの常連に接客と機種説明を任せるなど、ラテラルシンキングを駆使して売り上げを5倍にする。
その後、外資系IT教育会社にて、それまでの経験を生かした研修を展開。2万人以上の受講者から好評を得る。従来の発想の枠を越え、常識にとらわれないビジネススタイルを「創客営業」と名付け、全国にてセミナーを実施中。

ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門(ソフトカバー)

ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門(Kindle版)

本書のポイント

Point 1 ラテラルシンキングとは
Point 2 ラテラルシンキングに必要な3つの力
Point 3 相手の力を利用する

要約

Point1|ラテラルシンキングとは

著者は、この「ラテラルシンキング」のセミナーを数多く実施しているが一言で定義するのは簡単ではないといいます。

一般的には、イギリス人のエドワード・デ・ボノ博士が1967年に提唱した考え方で、「どんな前提条件にも支配されない自由な思考法」が一つの定義としてあります。
少し漠然としていて、わかりづらいですよね。

学校教育では、一つの答えに対する考え方「ロジカルシンキング」で教育を行っていると言われております。ここで「ロジカルシンキング」について少しふれてみましょう。

積み上げるロジカル、飛び越えるラテラル

ロジカルシンキングとは、「論理的な思考」のこと
A⇒B⇒Cというように物事を順序立てて積み上げながら、筋道を立てて正解を導いていく考え方です。
一段一段階段を上がっていくような感じですかね!?

また、常識や経験からなる、妥当だと思われる「正解」を導くためにロジックを掘り下げていくので、垂直思考(Verrtical Thinking)とも呼ばれることもあるといいます。

対して、ラテラルシンキングは、解決策を導くのための順序や過程を気にせずにスタート地点からゴール地点へひょいっと飛び越えても良いという考え方。

ラテラルシンキングは「唯一の正解」を求めるのではなく、視野を広げて多面的に物事を捉えてさまざまな選択肢から、問題の解決につながるものはすべて正解。そんな思考法であるといいます。

ラテラル(Lateral)は、「水平」という意味です。したがって、ラテラルシンキングは「水平思考」と訳され、一点集中でまっすぐ着実に問題解決に向かうロジカルシンキングと広い視野で多くの答えから問題解決を行うのがラテラルシンキングということになります。

まとめると
ロジカルシンキングは、「過程」プロセスを重視している。
ラテラルシンキングは、「結果」リザルトを重視している。

ラテラルシンキングの特徴

ぼんやりとロジカルシンキングとラテラルシンキングの違いが分かったと思うがまだぼんやりしている方へ特徴を紹介します。

  ラテラルシンキング ロジカルシンキング
目的 思考の幅を広げる 筋道を立てて論理的に解答を導き出す
思考の方向性 水平思考。考え方の可能性を広げる。物事の要素を集める。本質を考える 垂直志向。ひとつの考え方を深く掘り下げる。物事を分類・整理する。具体化を考える
解答 唯一の正解はなく、たくさんの解答がある 基本的に解答はひとつ
考え方 自由奔放に発想する。直観を大切にする。枠組にとらわれない 常識的・経験的に発想する。論理を重視する。既存の枠組みにあてはめる
  1. あらゆる前提から自由になる
    ⇒ラテラルシンキングは、「常識」に縛られず、物事を異なる角度からみることを心掛ける思考法です。なので、ラテラルシンキングを使えば、さまざまな前提や枠組みにとらわれず、自由な発想をすることができます。
  2. 今までにないものが生まれる
    ⇒あらかじめ与えられていた前提がひっくり返されるので、まったく新しいものがうまれやすくなる。
  3. 問題が最短ルートで解決される
    ⇒ラテラルシンキングでは、問題を解決するためなら、どんな手段を採用しても構わない。(もちろん、法律や道徳に反するものはNGですが)
    結果として、問題を解決する“最短ルート”が見つけやすくなる。
  4. お金/時間/手間が節約できる
    ⇒結果論ですが、ラテラルシンキングで発想すると、お金や時間、手間を大幅に削減できる場合がある。

ロジカルとラテラルは相互補完の関係性

ここで著者が強調しているのが、決して誤解しないでほしいのは、ラテラルシンキングとロジカルシンキングは、対立する考え方ではなく、ラテラルシンキングができれば、ロジカルシンキングが必要ないという話ではないといいます。

ラテラルシンキングで多くの選択肢を洗い出して、ロジカルシンキングで掘り下げるという思考の順序で問題解決していくことがおすすめだといいます。

身近にあるラテラルシンキング

著者は、ラテラルシンキングという思考法は、決して特別なものではないといいます。意外とわたしたちの日常生活の色々な場面でみつけることができます。
ここで、身近な例をご紹介します。

■自動改札機「計算に時間がかかる!」を解決

今、大都市圏では、ICカードがあれば、JRや私鉄、バスなど大抵の交通機関が利用できます。交通機関に乗るたびに小銭を用意しなくて済むので、とっても便利ですよね。

自動改札機の開発段階の話で、複数の交通機関で提携していたりするため、運賃計算に時間がかかるという問題がありました。

改札機内のコンピュータの性能は限られていて、計算速度を劇的にあげることはできません。
だからといって、計算が終わるまで改札の扉を閉じたままにしておくと、人の流れが止まってしまいます。

ロジカルシンキング的な発想なら、コンピュータの処理速度をさらに上げるか、自動改札気の増設を検討するでしょう。

さて、では、「あらゆる前提から自由になる」思考で、
自動改札機を長くしたそうです。

要するに、乗客が長い改札機を通過する分だけ計算時間を稼いだわけです!
こんな身近ところにも、前提にとらわれず自由な発想を行ったラテラルシンキングがあるんです。身近にあるものでラテラルシンキングを探してみるのも面白いかもしれませんね。

Point2|ラテラルシンキングに必要な3つの力

1. 疑う力

2. 抽象化する力

3. セレンディピティ

疑う力

これは、固定概念を打ち破る事です。
それは、例えば「~であるべき」「~になるはず」などの、常識や先入観で思考を決めつけてしまうことです。
それでは、どうすれば固定概念にとらわれず自由な発想ができるでしょうか。

■疑う力を鍛えるマジックワード
・なぜ
なぜ、必要なのか?
なぜ、不可能なのか?
なぜ、同じでなければならないのか?

・本当?
目の前にあるその情報は本当?なのか。

・今はね
あらゆるものは時間とともに変化します。
今は「正しい」と信じられていることも10年後には「誤り」になっているかもしれません。
また、10年前は「不可能」だったことが、今では簡単にできるようになっている、ということもあるでしょう。

なので、常に「なぜ?」と問いかけ「本当?」と疑い、不可能だと決めつけず「今はね」まだ世の中がついてきていないだけだと考えることが大切になってくるといいます。

抽象化する力

続いて、抽象化する力についてです、それは「物事の本質を見抜く」ことです。
簡単に言うと、物事の「本質」や「機能」に注目することです。

例えば、鉛筆で考えると
鉛筆の本質は、文字や絵を「書く」ことですよね。

この「書く」という行為を抽象化すると、鉛筆の代用品が次々と見つかります。
ボールペン、サインペン、シャープペンシル。筆や万年筆などが代用できるでしょう。
このように、すでに存在するものを別のもので代用できないかと考えることが、発想を広げる上で大変効果的だといいます。

〇抽象化の3ステップ
抽象化するには、次の順序で考えるといいます。

対象の特定 ⇒ 抽象化 ⇒ 具体的

ひとつ具体例を紹介すると
自動車王のヘンリー・フォードは、起業する際に何を商売にするべきかと考えました。周りに話を聞くと、誰もが「早い馬車」を開発するべきだといいます。

時代は、19世紀末、当時の人たちの「足」は、まだ馬車が主流の時代で、4頭立ての馬車より早いのは、6頭立ての馬車・・・と馬の数を増やすことでもっと速くなる。
常識的な発想だと、こうなります。
ところがフォードの考えは違いました。
当時はまだ一部の富裕層の持ち物だった自動車に注目し、自動車会社を作ったのです。

この時のフォードの思考パターンは
馬車(対象の特定

速く移動するもの(抽象化

自動車(具体化

そして、できるだけ安く庶民に提供しようと、大量生産に挑戦し、1台ずつ手で組み立てていた自動車を、流れ作業で生産するようにしたのはヘンリー・フォードでした。こうして後に自動車王と言われるようになるのです。

セレンディピティ

最後に、セレンディピティです。これはあまり聞きなれない言葉ですよね。英語で「セレンディピティ(serendipity)」ということばがあります。
日本語には訳しにくい言葉ですが、あえて訳すとすると「何かを探しているときに、それとは別の価値あるものを偶然見つける力」となるといいます。
言い換えれば、「偶然を偶然として無視しない力」「偶然を何かに関連づける力」と表現することもできます。

ここで大陸移動説を唱えたアルフレッド・ウェゲナーのセレンディピティを紹介します。
大陸移動説とは、地球上にある大陸は、もともとひとつの塊であり、それが時代とともに分裂したり、移動したりして今の形になった・・・という学説です。

今でこそ大陸が移動することは常識となっていますが、ウェゲナーがこの説を唱えた1912年当時は、「ありえない」と全く受け入れられなかったといいます。

この大陸移動説が生まれたのは、地図を見ていたウェゲナーが、アフリカの西側と南米の東側がパズルのようにぴったり合いそうだという事実にたまたま気づいたからでした。
ウェゲナーは、セレンディピティにより、「偶然を偶然として無視しなかった」これにより、他にも気づいていた人がいたかもしれないが、これを関連づけて考えられたのは、ウェゲナーの才能と言えるでしょう。

Point3|相手の力を利用する

弱者が生き抜くための3つの方法
「弱肉強食」という言葉があるようにこの世の中は、圧倒的に強者に有利に出来上がっています。
そんな世の中で、弱者はどうやって生き残ればよいのでしょう。

それは、弱い生物が強い生物の力をうまく「利用」することです。
利用するには、3つのパターンがあるといいます。

  • コバンザメ型
  • 寄生虫型
  • ヤドカリ・イソギンチャク型

またこの3パターン、面白いことに、人間の世界でも見られる現象だといいます。

・コバンザメ型
コバンザメは、東部に小判型の吸盤を持ち、サメやエイなどの大型の生物(宿主)にくっついて移動する魚です。
なぜこんなことをするのかいうと、自分では泳がずに移動できますし、宿主が残した餌や排泄物を食べられるからです。

サメにとってコバンザメは、取るに足らない小さな存在です。だからサメは、コバンザメが吸着していることなど何とも思っていないでしょう。

人間界のビジネスで例えてみると、
例えば、自動車とカー用品。

カーオーディオや消臭剤など、いわゆるカー用品の市場が成立するのは、自動車が売れるからこそですよね。自動車業界とカー用品業界では、その市場規模は
全く違いますが、大きな業界(強者)の力を借りて市場をつくりだしているという意味では、コバンザメ型の関係が成り立っていると考えられます。

・寄生虫型
他の生物の体内に入り込んで、長期間、一方的に栄養を得るのが寄生虫です。コバンザメ型では、利用する側(コバンザメ)は利用される側(サメ)に危害を与えません。
ところが、こちらの「利用する」という行為が、利用される側に何らかの影響を与えます。

これも、人間界でよく見られる現象のひとつ。
例えば、ある本が話題になり、爆発的な売り上げを記録したとしましょう。いわゆるベストセラーです。
すると、さまざまな出版社がその勢いに乗ろうとベストセラーの解説本や類似本、批判本を出します。
「本家」の印象が強ければ強いほど、こうした「便乗本」もある程度は売れる。

・ヤドカリ・イソギンチャク型
最後は、ヤドカリ・イソギンチャク型。

ある種のヤドカリは、自分の殻にイソギンチャクをつけたまま生活しています。なぜなら、他の生物がイソギンチャクの毒を警戒して、ヤドカリを襲わないからです。
もう一方のイソギンチャクにとっても、ヤドカリの殻にくっついていれば広範囲に移動できるため、この状態はとても都合がいい。
こうして両者は、いわゆる「持ちつ持たれつ」というWin-Winの関係性で生きているのです。
ヤドカリ・イソギンチャク型では、強者と弱者という区別はなく、関係は「対等」です。このあたりが、一方的に相手の力を利用しているコバンザメ型との違いでしょう。

ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門(ソフトカバー)

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まとめ

正直、本当はもっと紹介したいエピソードも多くあり、「先の先を読む」や「ムダなものを捨てない」などのエピソードも印象に残っていますが、長くなりすぎてしまうのでこの辺にしておきます。

また、今回解説させていただいた話の中にも、紹介できていない具体例や練習問題など参考になる話が盛りだくさんの本となっています。私自身も、あっと驚くエピソードや、マネしたい考え方や思考法に出会えたと思っています。これから少しずつ訓練することで、これまでにない発想で、これまで見えていなかった様々のものに出会い、

今後のコンテンツ制作に結び付けれればいいなぁと思います。

このラテラルシンキングという考え方は、仕事もそうですし、これからの変化の時代を生き抜く上でも身につけておくべきスキルといっても過言ではありません。
とても勉強になる本でした、ぜひ一度手に取って読んでみて頂ければと思います。

それでは、皆さまが豊かになりますように願っております。

また次回の記事でお会いしましょう。moyaiでした。

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