こんにちは moyaiです。
今回は、できるかぎりシンプルに投資を教えてくれるジェイエル・コリンズ著『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』(ダイヤモンド社)をご紹介します。本の表紙もシンプルで素敵ですよね。またタイトルも“娘”に伝えるということで、本書は著者が苦労して学んできた投資と人生の哲学を娘に伝えるためにブログから生まれたといいます。そして本書の中心となる3つの原則は、
支出は稼ぎより少なくする。余りは投資する。そして借金をしない。
この3つを実践するだけで、お金だけではなく人生も裕福になれるといいます。とってもシンプルですよね。
本書は、アメリカを前提として書かれていますので、税金や、国の制度など少し違う部分もありますが投資に関する考え方や人生の哲学については、全くもって日本と米国でも変わらないんだなぁと思いました。
それでは、いってみましょう。

著者
著者のジェイエル・コリンズさんは、ファイナンシャル・ブロガーです。1975年から投資を行っている個人投資家。何度も転職するなかで、収入の範囲内で生活するようになり、気が付けば夫婦どちらも働かなくても暮らせるようになっていた。実践したのはシンプルな投資だけ。収入の半分を投資、借金をしない。バンガード創業者ジャック・ボーグルの教えに従ってインデックスファンドに投資する。これだけで経済的自由を手に入れた。
2011年、娘宛てに「お金と投資」について手紙をしたためる。その内容をブログに発表すると、世界中から注目されるようになる。
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え(ソフトカバー)
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え(Kindle版)
本書のポイント
Point2 借金は、負ってはいけない重荷
Point3 シンプルな投資
Point4 投資額の4%で生きろ「4%ルール」
要約
Point1|イントロダクションでほぼ終わり
本書では、イントロダクションという章において、重要なガイドラインが記載されています。もう、これがこの本の全てなんだろうなと思う内容です。かなりボリューミーな内容になっています。
・収入の範囲で消費する。借金しない。
・ここに書いてあることだけをすれば豊かになれる。お金だけでなく、人生そのものが。
・借金するのは、血を吸う虫に覆われているようなものだ。
・収入をあるだけ使っているのは、お金にまみれた奴隷でしかない。
・お金に無責任な人と付き合わないこと。そんな人にあなたのお金を触らせてはいけない。
・投資アドバイザーを近づけないこと。ほとんどのアドバイザーは自分のことしか考えていない。彼らと付き合って、良い運用先を選ぶのに時間を使うくらいなら、自分自身でやっていける。あなたのお金について、あなた以上に本気で考えている人はいない。
・あなたは自分のものを所有しているが、同時にそれに縛られてもいる。
・お金で買えるものよりも貴重なのは自由であること。
・人生にはお金以外の決断もあるが、どんな決断でも、その経済的なインパクトを常に考えるべき。
・健全な投資は複雑ではない。
・収入の一部を貯めよう。お金を貯めていないことがあとで自分を縛る障害になる。
・節約してより多く投資すれば、「会社に縛られないお金」が早く貯まる。
・収入の半分は投資に回そう。借金をしていなければ十分に可能。
・収入の多くを貯蓄に回す利点は、投資を増やすだけでなく、控えめに暮らす方法も身につくことにある。
・株式市場は投資する有力な市場だが、激しく上昇、下降することも忘れずに。そういうものだ。下がったらもっと買おう。
・ただし、下がった時に買うことはとても難しい。まわりの人々もニュースもパニックに陥り、誰もが「売れ」と叫んでします。
・メディアの人々の中には将来を予想できるという人もいるが、先のことは誰にもわからない。みんな妄想に駆られているだけ。無視しよう。
・投資額の4%で1年を暮らせれば、経済的に自立しているといえる。
いかがでしょうか、すでにおなかいっぱいですよね。本書のすべてがここにギュッと詰まっているなぁと感じましたね。これらのシンプルなお話がとても具体的にそしてシンプルに語られています。
Point2|借金は、負ってはいけない重荷
経済的に豊かになるには、借入金を当たり前だと受け入れてはいけないと言います。一見「良い借入金」に思える、「ビジネスローン」や「不動産ローン」、「学生ローン」すべてに注意が必要だと言います。
借入金の害はいっぱいあります。
・経済的自由を手に入れようとするどころか、自分のライフスタイルを維持できなくなります。消費まみれの生活にどっぷり漬かりたいと望んだとしても、借入金があると、収入の大きな部分が利息の支払いに使われます。つまり、収入の一部が使えなくなるのです。
・現在の収入源に依存することになります。借入金は返済しなければなりません。長期的な目的にあった人跡の選択をするとき、大きな制限を受けます。
・ストレスが増えます。首が地面に埋められたようなものです。借入金を背負っていることは、感情的、心理的に負担となり、大きな危険をもたらします。
・中毒になるのと同じように、ネガティブな感情を持つようになります。恥ずかしさや罪悪感、寂しさ、誰も自分を助けてくれないと思い。それを抱いたのは自分自身だということが事態をさらに悪化されます。選択肢が限られ、ストレスが上昇すると、自己破壊的な行動がいっそう強くなります。飲みすぎ、喫煙、そして皮肉なことに買い物衝動。危険なだけでなく、いつまでもやめられなくなります。
・借入金があると、過去、現在、将来にわたって最悪のケースだけを考える傾向が生まれます。過去の失敗にこだわり、目の前の苦しみと迫り来る不幸で頭がいっぱいになります。
・何かの魔法で、問題はそのうち解決されるだろうという根拠のない希望を持つようになり、問題に正面から立ち向かえなくなります。借入金を抱えていることで、あなたの経済活動、習慣、価値観は思い通りにならなくなります。
どれもゾクゾクしてしまう内容になっています。本書では借金の恐怖だけでなく、すでに借入金を抱えてしまっている人への実際の対応策や著者がしないことなど具体的に記載されています。
また、すでに借入金を抱えている方へ、とても参考になる数値目標で記載がされているのがポイントです。自分の行動を変えるのには、良い指標となると思います。
・借入金の金利が3%未満だったら、返済はあせらず、余裕資金を投資に回しなさい。
・借入金の金利が3~5%だったら、余裕資金を返済に充てても、投資に回してもかまいません。お好きなやり方で。
・借入金の金利が5%より高かったら、何をおいてもできるだけ早く借入金を返済すべきです。
Point3|シンプルな投資
シンプルな考え方はたった3つの考え方だといいます。
①いまの自分は、投資のどの段階にいるのか。資産を積み上げる時期なのか、資産を維持保全する時期なのか、それともその2つのミックスなのか。
②どこまでリスクを受け入れられるか。
③投資スパンは長期か、短期か。
著者は、長期投資をするべきだと言います。また、ポートフォリオに使う道具は、またもやシンプルにたった3つの道具「株式」「債券」「現金」以上!だそうです。シンプル!
そして、
「株式」は、インフレヘッジのためであり、VTSAX(バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックスファンド)に投資すると言います。
「債券」は、デフレヘッジとなり、VBTLX(バンガード・トータル・ボンド・マーケット・インデックスファンド)に投資すると言います。
さいごに、「現金」です。現金は定期的に発生する費用をまかなうために持つと言います。現金はデフレの時には、モノの値段がさがるため、多くのモノが買えるようになるため強みを発揮しますが、インフレ時にはその逆が起きますし、最近では、銀行の金利も雀の涙にもなりません。なので、必要最低限の費用を捻出できる以外の現金できるだけ少なくするのが良いと言います。
Point4|投資額の4%で生きろ「4%ルール」
がんばって資産を増やすことに成功したら、お金を使うフェーズになります。資産がなるべく減らないように生活する必要があります。
結局、いくら使えるか
ということになります。
投資の世界では、よく知られている話ですが、「4%ルール」(トリニティ・スタディ)についてふれられています。
「4%ルール」(トリニティ・スタディ)は、1998年にトリニティ大学の教授たちが、ポートフォリオからどれだけ引き出すと、何が起こるか調べたものです。
数多くの組み合わせで研究された中で、金融関係メディアが取り上げたモデルがただ一つで、「株式と債券を半分ずつ保有するポートフォリオで引き出し率4%。ただし、インフレ率に応じて調整する」というものでした。このモデルでは、96%の確率で30年後にポートフォリオが全く減少しませんでした。言い換えれば、この戦略が失敗して老いたあなたが貧困に陥るのは4%の可能性だといいます。
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え(ソフトカバー)
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え(Kindle版)
まとめ
本書は、お金に関する考え方と人生の哲学を娘に伝えるべく書かれた本です。投資と人生の哲学について、とにかくシンプルに学ぶことができる良い本だと思います。著者は、バンガード社のインデックスファンド推しであったり、ドルコスト平均法好まないなど、私の投資法に少し似たところを感じましたね。
本書で紹介されている内容は、シンプルではあるもののかなりのボリューム感があります。一冊で多くのことを学ぶことができると思います。ぜひ、手に取って読んでみてください。
それでは、皆さまが豊かになりますように願っております。
また次回の記事でお会いしましょう。moyaiでした。